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2022.08.29

所長コラムー第4回「中小企業のSDGs取り組み事例2:プラスチック卸売業」

 中小企業診断士の細野祐一です。
 前回から、SDGsに実際に取り組んでいる中小企業の取り組み方を紹介し
ています。
 今回は、プラスチック卸売業の弘英産業株式会社です。

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若い経営者がプラスチックリサイクルに舵をきる
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 弘英産業株式会社は1984年に創業したプラスチックの総合商社です。プラス
チック材料の販売(営業1部)、プラスチック製品販売(営業2部)、中古機械
買取販売(営業3部)、海外展開(海外営業部)とプラスチック製品をワンスト
ップで扱っています。同社の経営理念は、「お客様に喜ばれる仕事をすること」
であり、信じあえる心を軸に、お客様にも喜ばれ、信頼される経営をすること
を通じて、新たな関係を構築し、世の中に大きく貢献できるような企業であり
たいと考えています。
 同社の会長である大石将弘氏は、2007年33才の時に会社を引き継ぎ、直後に
リーマンショックによる経営の危機に瀕しました。その際、これまでの「仕入
れて売る」ビジネスモデルを転換し自社の中に製造工程を取り入れ「作って売
る」ビジネスモデルを取り入れたいと考え、リサイクルビジネスの開始を決断
しました。このリサイクルビジネスの決断は、同社の強みである(1)長年プラ
スチック総合商社として蓄積したプラスチックノウハウの存在、(2)機動的な
プラント構築力を有すること、(3)多くの顧客との信頼関係があり廃プラスチ
ックの調達からリサイクル原料の販売までニーズを把握できていること、をし
っかり認識し、「お客様に喜ばれる仕事をすること」という経営理念に基づき
決定したものでした。

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プラスチックリサイクル事業の取り組み
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 同社のリサイクル事業は、日立工場、鴻巣工場の2拠点で実ビジネスとして
行われています。更に、このノウハウを元にリサイクル設備をプラントとして
グローバルに展開する計画です。
(1)日立工場
2008年より家電メーカーからプラスチック製品をリサイクルするための粉砕業
務の受託を行っています。2019年には粉砕原料を製品原料として活用できるペ
レット原料まで製造する機能を有しています。
(2)鴻巣工場
2019年に立ち上げた総合的なリサイクル工場です。廃プラスチックをペレット
原料としリサイクルできるようにしました。バイオマスプラスチック製品の生
産も実施しています。
(3)リサイクル設備プラント事業
同社では、リサイクル設備プラント事業をグローバルに向けて展開する計画で
す。これは、プラスチックプラント展開ノウハウと、自社で実施してきたリサ
イクル事業での実施ノウハウをセットにした事業となります。本プラント事業
では全てのプラスチックごみをプラスチックパレットやウッドデッキなどの最
終製品にすることで、リサイクル率100%を目指しています。

                            経営改善研究所                         
                            所長 細野 祐一
                        https://kaizenvalue.com
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