お問い合わせ

ニュース

2022.08.18

所長コラムー第3回「中小企業のSDGs取り組み事例1:印刷業」

 中小企業診断士の細野祐一です。
 ここまでSDGsとは何かを説明し、次に中小企業のSDGsへの取り組み
方を一般論として説明しました。ここからは、実際に取り組んでいる中小企業
のその取り組み方を事例として紹介します。まずは、印刷業の東洋美術印刷株
式会社です。

——————–
経営者が率先して推進
——————–
 東洋美術印刷株式会社は1935年に創業した老舗の印刷会社で、戦後は戦前に
持っていた印刷に関する技術・ノウハウ・人脈を生かし印刷会社を復興し、活
版に加え、当時立ち上がったオフセット技術にチャレンジし、総合印刷会社の
地位を確立しました。1998年にはデジタル印刷サービスを始め、デザイン部門
を立ち上げ、企画・デザインからの受注を増やすなど、時代の先を読んで経営
を刷新する社風があります。同社がSDGsを目標として掲げたのは2015年、
創業80周年を迎えた時でした。2015年と言えばSDGsが国連で採択された年
です。SDGs設立と同時に同社は、取り組みを開始しました。これも経営者
が時代を読み、率先して実施した結果でした。
 同社は経営理念として、ミッションを「印刷を礎としたコミュニケーション
サポート事業を通じて、こころふれあう社会の実現に寄与します。」とし、ビ
ジョンには「私たちは、持続可能な社会の実現のために、常に利益を出してい
ける確固たる企業基盤を確立します。」を掲げ、持続可能な社会の実現と利益
を出し続ける企業の共存した姿を描いています。トップが方向性を示し、2016
年には全社員にサスティナブル研修を受けさせ、全社運動にしていきました。

———————————————–
Sustainable Act2035の取り組み
———————————————–
 Sustainable Act2035とは、同社が2035年、100周年を迎
えるその節目の年に、あるべき姿を描いたものです。地球環境と社会の持続可
能性に企業の立場から取り組み、コミュニケーションサポート事業を通じて、
お客様と共に価値を創造し続ける企業でありたいとの姿を描いています。
 ありたい姿は次の6点です。
(1)売り上げを2倍にし、カーボンフットプリントを50%減らす
(2)FSC(R)森林認証紙を100%使用する
(3)化石燃料の使用を無くす
(4)企業活動の完全循環を実現する
(5)多様な人材が多様な働き方でいきいきと働いている
(6)生まれてくるイノベーションを受け入れ、変化し続ける

 同社の活動の素晴らしいのは、進捗を公開していることです。
 HPに具体的な活動と進捗が掲載されていますので、是非、ご参照ください。
https://www.toyobijutsu-prt.co.jp/corporate/sustainable/

                            経営改善研究所                         
                            所長 細野 祐一
                        https://kaizenvalue.com

PAGETOP