2022.09.23
中小企業診断士の細野祐一です。
ここまでは中小企業単独でのSDGs取り組み事例を進めてきました。今回
は、地方自治体が関わってくる地方創生SDGsについて紹介します。地域に
根付く中小企業は地方創生に欠かせない登場人物でありますが中小企業だけで
は限界があります。地方自治体と密接に関係することで地方創生を大きく前進
させることができます。今回は、地方創生SDGsについて事例も踏まえて説
明していきます。
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地方創生SDGsとは
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地方創生SDGsは内閣府で打ち出すムーブメントです。地方創生活動は、
少子高齢化に歯止めをかけ、地域の人口減少と地域経済の縮小を克服し、将来
にわたって成長力を確保することを目指しています。内閣府は、この活動にお
いてSDGsの理念に沿って進め、SDGsを行政、民間事業者、市民等の異
なるステークホルダー間の地方創生に向けた共通言語と考えました。これによ
り、政策目標の理解の進展や自治体業務の合理的な連携の促進が図れ、地方創
生の課題解決を一層促進できると考えたのです。
地方創生SDGs推進活動の一環として、内閣府はSDGs未来都市・自治
体SDGsモデル事業というものを進めています。これはSDGsの達成に向
けた優れた取組を提案した60都市を「SDGs未来都市」として選定、その中
で特に先導的な取組20事業を「自治体SDGsモデル事業」として選定するも
のです。これらの取組を支援するとともに、成功事例の普及展開等を行い、地
方創生の深化につなげようとしています。
千葉県では「SDGs未来都市」、「自治体SDGsモデル事業」に市原市
と松戸市が採択されていいます。今回はモデル事業となった松戸市の取り組み
と、それ以外の市の取り組みを見てみましょう。
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松戸市の地方創生SDGsの取り組み
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テーマ名は、「Z世代を起爆剤に多様な主体が奏でる常盤平団地エリアのリ・
ブランディング」です。そのテーマに至る松戸市の課題は2つあります。
(1)高度経済成長期に整備された都市基盤(大規模団地等)の更新
(2)都心へのアクセスの高さゆえのZ世代の市内定着性の低さ
(市内10高校4大学の市内就学就職率:約5%)
これらの課題に対し、SDGsネイティブなZ世代を起爆剤として市内外の
主体による事業マッチングを加速させることで、常盤平団地エリアの価値を改
めて高めていく。具体的には
(1)産学官連携窓口
(2)地方創生SDGsプラットフォーム
(3)SDGsプロジェクト(常盤平団地エリアをモデル地区)
の3つのプロセスを組み合わせて好循環をはかるものです。
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浦安市のSDGsの取り組み
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筆者が住んでいる浦安市は自治体SDGsモデル事業にはなっていませんが、
各部門でSDGsに取り組んでいます。その中でも環境問題については環境基
本計画を2021年に立ち上げました。特に脱炭素については、2020年にゼロカー
ボンシティを表明し、CO2排出量を減らす計画を市民、事業者、市で推進し
ようとしています。現在の活動はセミナー開催など啓蒙段階にあり本格的な取
り組みはこれからで、今後、参加する中小企業も創意工夫が試されます。
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地域創生SDGsの活用
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今回、モデル事業の自治体とそうでない自治体との取り組みを紹介しました。
各自治体でSDGsを目標にした取り組みが進んでいます。SDGsを目標の
共通言語とすることで、中小企業が、これらの活動に連携する可能性も開けて
きました。1社ではできない活動を発展させうる可能性があるので、自治体との
連携も検討の価値がありそうです。
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連載を終わるに当たって
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6回にわたる連載も今回で終わりになります。長い間お付き合いいただきあり
がとうございました。前半は経営理念を明確にし、それに基づいた活動を事例
を元に説明しました。最終回は、その活動の延長線上に行政と連携する道があ
ることを説明しました。
持続可能な社会を作る為に、みんなが知恵を出して活動できるといいですね。
経営改善研究所
所長 細野 祐一
https://kaizenvalue.com