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2022.08.10

所長コラムー中小企業のSDGsへの向き合い方第1回「SDGsとは」

 中小企業診断士の細野 祐一と申します。企業の新陳代謝が進む中、中小企業

にも付加価値の増大のための製品・サービスの差別化や新事業展開が求められ

ています。この中で、ビジネスチャンスに繋げようと2019年ごろからSDGs

に取り組み始める中小企業が増えてきました。しかし、「何から始めればいい

のか分からない」「取り組み方が分からない」「そもそもSDGsが何か分か

らない」という疑問を抱きながら、手探りの状態で取り組みを進めている中小

企業が大半ではないでしょうか。今回から6回にわたって、SDGsとは何か、

中小企業がSDGsにどう向き合い、どう取り組んでいくかについて初歩的な

部分から解説し、できるだけ取り組んでいる中小企業の事例を紹介したいと思

います。よろしくお願いいたします。

   第1回 SDGsとは

 今回は初回としてSDGsとは何か、どのように考えるかを述べる。

 SDGsとは、向こう15年間(2030年まで)の新たな行動計画として2015年

9月25日の国連総会で採択された、国際的に達成すべき持続可能な開発目標

(Sustainable Development Goals)の略称であ

る。このために必要不可欠な17の世界的目標と169の達成基準、232の指標が示

されている。ただ、これだけを示されても意味が分かりにくい。

 そこで、目標の意味を分かりやすくする『SDGsウェディングケーキ』と

いう考え方を紹介する。

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SDGs階層構造:SDGsウェディングケーキ

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 これは17の目標を3つの階層に分けて考える考え方である。ストックホルムに

あるレジリエンス研究所の所長が考案した。SDGsウェディングケーキモデ

ルでは、SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」を頂点と

して、その下にある3つの階層「経済圏」「社会圏」「生物圏」によって構成

される。

(1)最下層:「生物圏」

・目標6.安全な水とトイレを世界中に

・目標13.気候変動に具体的な対策を

・目標14.海の豊かさを守ろう

・目標15.陸の豊かさも守ろう

持続可能な「社会圏」「経済圏」を支えるために「生物圏」はその土台となる。

(2)中間層:「社会圏」

・目標1.貧困をなくそう

・目標2.飢餓をゼロに

・目標3.すべての人に健康と福祉を

・目標4.質の高い教育をみんなに

・目標5.ジェンダー平等を実現しよう

・目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

・目標11.住み続けられるまちづくりを

・目標16.平和と公正をすべての人に

人間が不自由なく生活し、働けるような世界を作り上げるための目標であり、

経済圏への基盤となる。

(3)上位層:「経済圏」

・目標8.働きがいも経済成長も

・目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう

・目標10.人や国の不平等をなくそう

・目標12.つくる責任 つかう責任

経済成長と働く人々の“働きやすさ”を目標としている層である。

 SDGsに取り組む際、これらのどの層に働きかけているか相関関係を見る

ことで取組の意義や位置づけが分かりやすくなってくる。また「生物圏」「社

会圏」の達成なしに「経済圏」の目標達成は不可能であるため、下位層にも着

目した多面的な目標を設定することが有意義である。

 

今後は以下の内容で投稿する予定である。

第2回 中小企業にとってのSDGsへの向き合い方

第3回 中小企業のSDGs取り組み事例1:印刷業

第4回 中小企業のSDGs取り組み事例2:プラスチック卸売業

第5回 中小企業のSDGs取り組み事例3:精密部品製造業

第6回 地方創生SDGs推進による取り組み事例

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